セスジスズメの幼虫

セスジスズメの生態と食害
我が家の庭にある畑で頻繁に見られるセスジスズメの幼虫。特にサトイモの葉を食い荒らすので、見つけ次第に摘んで腐海送りを実行していますが、かなりの数がこの畑に生息している模様です。敵の生態を理解するのは今後の戦いに必須とみて、随時更新していくナレッジベースです。
セスジスズメの生態

セスジスズメ(学名: Hyles lineata)は、スズメガ科に属する昆虫で、広範囲に分布しています。
成虫は中型のガで、翅の模様が特徴的です。
昼行性であり、花の蜜を吸う姿が見られます。
幼虫は緑色や茶色をしており、体側に白い縦縞が入っています。
成長すると最大で約8cmにも達し、非常に目立つ存在です。
蛹は地中にて形成され、成虫になるまでの期間は数週間から数ヶ月です。
セスジスズメのライフサイクル
ライフサイクルの段階
セスジスズメのライフサイクルは、完全変態を経る典型的な昆虫のライフサイクルです。以下に各段階について詳しく説明します。
1. 卵
セスジスズメの雌成虫は、植物の葉の裏側や茎に卵を産み付けます。卵は小さく、丸い形をしており、通常は数日で孵化します。
2. 幼虫
卵から孵化した幼虫(いわゆる「イモムシ」)は、最初に非常に小さく、成長するにつれて何度も脱皮を繰り返します。幼虫の期間は約3〜4週間です。幼虫は以下の段階を経て成長します:
- 初齢幼虫: 小さくて目立たないが、植物の葉を食べ始めます。
- 中齢幼虫: 成長とともに体が大きくなり、色や模様がはっきりしてきます。
- 終齢幼虫: 最大で約8cmに達し、非常に目立つ存在となります。体色は緑色や茶色で、側面に白い縦縞が入っています。
3. 蛹
幼虫が十分に成長すると、地面に降りて土の中に潜り込み、蛹(さなぎ)になります。蛹の期間は環境条件によって異なりますが、通常は数週間から数ヶ月です。この期間中に、幼虫は成虫へと変態します。
4. 成虫
蛹から成虫が羽化します。成虫は中型のガで、翅に特徴的な模様があります。昼行性であり、花の蜜を吸う姿が見られます。成虫の寿命は数週間程度で、その間に交尾と産卵を行います。
ライフサイクルのまとめ
- 卵: 数日で孵化。
- 幼虫: 約3〜4週間、複数回の脱皮を経て成長。
- 蛹: 数週間から数ヶ月の期間、土中で成虫に変態。
- 成虫: 数週間の寿命、交尾と産卵。
セスジスズメのライフサイクルは環境条件(気温、湿度、食物の有無など)によって大きく影響されます。特に、温暖な気候では年間に複数世代が発生することがあります。

セスジスズメの食害

セスジスズメの幼虫は多くの植物を食害します。
特にナス科の植物(トマト、ナス、ジャガイモなど)に対する被害が大きく、農作物に深刻な影響を及ぼします。我が家のお庭にある畑ではサトイモの葉が主に食害されています。サトイモに隣接したナスやジャガイモの葉にはセスジスズメの幼虫が付いていることが無いので、少なくとも我が家の畑にいるセスジスズメの幼虫はサトイモを最も好むものと思われます。
幼虫は葉や果実を食べるため、植物の生長を阻害し、収穫量を大幅に減少させることがあります。
対策としては、定期的な作物の観察と幼虫の早期発見・駆除が重要です。また、天敵である鳥類や寄生バチなどを利用した生物的防除も効果的です。化学的防除としては、適切な農薬の使用が推奨されますが、環境への影響を考慮し、慎重に行う必要があります。
セスジスズメの捕食者
セスジスズメの捕食者には以下のようなものがいます
1. 鳥類
多くの鳥類はセスジスズメの成虫や幼虫を捕食します。特にスズメやメジロなどの小型の鳥がよく知られています。
2.寄生バチ
一部のハチ(例えば、トリコグラム属の寄生バチ)はセスジスズメの卵や幼虫に寄生します。これにより、幼虫の成長を阻害し、最終的に死に至らしめます。
3. クモ
クモもセスジスズメの幼虫や成虫を捕食することがあります。特に、網を張って獲物を捕らえるタイプのクモが有効です。
4.哺乳類
一部の小型哺乳類(例えば、ネズミなど)はセスジスズメの蛹や幼虫を食べることがあります。
これらの捕食者は、セスジスズメの個体数を自然にコントロールする上で重要な役割を果たしています。特に、生物的防除の観点から、これらの捕食者を活用することが、セスジスズメの被害を抑えるための有効な手段となります。

日の出がゆっくりになりつつある

このキジトラは6年ほど前に、我が家からトトロの杜を下った河岸段丘中段の農道に捨てられていたのをママに拾われるという経緯で我が家の住人になりました。
セスジスズメの幼虫があちらこちらに
庭の畑には、小さな蜂たちが羽音を立てて花から花へと飛び回っています。昨日見たシオカラトンボやその雌もしくは若い雄のムギワラトンボも畑の上を飛んで狩りをしているようです。ちなみに、ムギワラトンボを漢字で書くと麦藁蜻蛉なのですが、ぐっと文学的な雰囲気が漂います。叙情性より無機質なソリッドさを内包していてとてもクールです。
玄関から近い順に、キュウリ、大葉、カボチャ、サトイモ(生育遅れ)、ピーマン、オクラ、ナス、またサトイモ(順調)、ネギと見て回り、畝に目立つ雑草を摘んでいきます。
順調に生育している方のサトイモエリアで茎や葉の裏を確認してみると、またもやセスジスズメの幼虫が付いています。小さいの、色の薄いの、大きいの、と3匹を腐海エリアにお帰りいただいて、セスジスズメ駆除スキルの経験値を稼ぎます。 ここ数日見かけていなかったので、もう現れないかと楽観していたのですが、自然はそんなに甘くなかったということでしょう。サトイモの大きな葉がまたもや虫食いで穴だらけになっています。毎日見回らないとダメですね。
イモムシの画像はSensitiveなのかもしれませんので、この後にまとめて貼り付けます。

今日のセスジスズメさん

サトイモの葉がどうやって出てくるのか

さすがに疲弊したので、早朝雑草取りは明日から再開に日和ります。
猛烈なゲリラ雷雨があったり40度近くまで気温が上がる日が続いたりしていて畑は夏草たちが勢いを盛り返してしまったようです。
セスジスズメの幼虫はママが駆除を続けているせいか見当たりませんが、サトイモの葉はかなり虫に食われたところがあり、生育が遅れている苗は葉をすべて失ってか細い茎だけが残っていたりと散々です。そんなサトイモですが、あの大きな葉がどうやって生えるのか、ようやく謎が解けました。
サトイモたちの茎を見ると、ところどころに二股になっているところがあり、そこから大きな一枚の葉が生えているのですが、どうやって二股になっていくのかがわかりました。
ダーマトグラフのようにくるくると巻かれた葉が茎から現れる

茎の中からくるくると綺麗に巻かれた新しい葉が出てくるところです。正真正銘の葉巻といった感じです。
その後、日を浴びながらゆっくりと巻きが解けていき、あの立派な大きなサトイモの葉になるのですが、その様はまるでダーマトグラフ(デルマ)の紐を引っ張って芯を出すような、いやむしろ蝉や蝶が羽化して濡れて小さく畳まれている翅が乾いて伸びていくようです。
三菱鉛筆 色鉛筆7600 油性ダーマトグラフ 12色
ところで全然関係ないのですが、蝉は不思議ですよね。
蝶やカブトムシなどは幼虫から蛹になって、その後羽化して成虫になるのですが、蝉は幼虫からそのまま羽化して成虫になります。活発に活動する幼虫の殻の中で成虫に身体を作り変えているわけで、無防備な蛹の状態を経験せずに羽化できるのはある意味進化の極みなのではないでしょうか。
さて、茎から新しく葉が出てくるとその株はより強くなりますのでセスジスズメの幼虫にやられた小さな苗たちも新しい葉を出すことさえできれば、刈れずに済みそうです。茎まで食べられているものは少し厳しいかもしれませんが…。
畑の他の部分に目をやると、ピーマンが頑張ってまだ小さな枝ぶりの中に鮮やかなグリーンの実を付けています。そのピーマンの奥に遅れて育ち始めたオクラが日毎夜毎に大きくなりつつあります。今年は植えていなかったと思い違いをしていましたが、一株だけピーマンの畝の並びに育っています。4人家族ならこの一株で十分な量のオクラが収穫できますので安心です。カボチャもゴロゴロとあちらこちらでその葉陰に実を隠していて、うっかり足を踏み入れると踏んでしまいかねない有様です。



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