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2024年08月13日02:18セスジスズメの生態と食害3

セスジスズメの生態と食害

我が家の庭にある畑で頻繁に見られるセスジスズメの幼虫。特にサトイモの葉を食い荒らすので、見つけ次第に摘んで腐海送りを実行していますが、かなりの数がこの畑に生息している模様です。敵の生態を理解するのは今後の戦いに必須とみて、随時更新していくナレッジベースです。

セスジスズメの生態

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セスジスズメ(学名: Hyles lineata)は、スズメガ科に属する昆虫で、広範囲に分布しています。
成虫は中型のガで、翅の模様が特徴的です。
昼行性であり、花の蜜を吸う姿が見られます。

幼虫は緑色や茶色をしており、体側に白い縦縞が入っています。
成長すると最大で約8cmにも達し、非常に目立つ存在です。
蛹は地中にて形成され、成虫になるまでの期間は数週間から数ヶ月です。

セスジスズメのライフサイクル

ライフサイクルの段階

セスジスズメのライフサイクルは、完全変態を経る典型的な昆虫のライフサイクルです。以下に各段階について詳しく説明します。

1. 卵

セスジスズメの雌成虫は、植物の葉の裏側や茎に卵を産み付けます。卵は小さく、丸い形をしており、通常は数日で孵化します。

2. 幼虫

卵から孵化した幼虫(いわゆる「イモムシ」)は、最初に非常に小さく、成長するにつれて何度も脱皮を繰り返します。幼虫の期間は約3〜4週間です。幼虫は以下の段階を経て成長します:

  • 初齢幼虫: 小さくて目立たないが、植物の葉を食べ始めます。
  • 中齢幼虫: 成長とともに体が大きくなり、色や模様がはっきりしてきます。
  • 終齢幼虫: 最大で約8cmに達し、非常に目立つ存在となります。体色は緑色や茶色で、側面に白い縦縞が入っています。

3. 蛹

幼虫が十分に成長すると、地面に降りて土の中に潜り込み、蛹(さなぎ)になります。蛹の期間は環境条件によって異なりますが、通常は数週間から数ヶ月です。この期間中に、幼虫は成虫へと変態します。

4. 成虫

蛹から成虫が羽化します。成虫は中型のガで、翅に特徴的な模様があります。昼行性であり、花の蜜を吸う姿が見られます。成虫の寿命は数週間程度で、その間に交尾と産卵を行います。

ライフサイクルのまとめ

  1. : 数日で孵化。
  2. 幼虫: 約3〜4週間、複数回の脱皮を経て成長。
  3. : 数週間から数ヶ月の期間、土中で成虫に変態。
  4. 成虫: 数週間の寿命、交尾と産卵。

セスジスズメのライフサイクルは環境条件(気温、湿度、食物の有無など)によって大きく影響されます。特に、温暖な気候では年間に複数世代が発生することがあります。

セスジスズメの食害

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セスジスズメの幼虫は多くの植物を食害します。
特にナス科の植物(トマト、ナス、ジャガイモなど)に対する被害が大きく、農作物に深刻な影響を及ぼします。我が家のお庭にある畑ではサトイモの葉が主に食害されています。サトイモに隣接したナスやジャガイモの葉にはセスジスズメの幼虫が付いていることが無いので、少なくとも我が家の畑にいるセスジスズメの幼虫はサトイモを最も好むものと思われます。
幼虫は葉や果実を食べるため、植物の生長を阻害し、収穫量を大幅に減少させることがあります。

対策としては、定期的な作物の観察と幼虫の早期発見・駆除が重要です。また、天敵である鳥類や寄生バチなどを利用した生物的防除も効果的です。化学的防除としては、適切な農薬の使用が推奨されますが、環境への影響を考慮し、慎重に行う必要があります。


セスジスズメの捕食者

セスジスズメの捕食者には以下のようなものがいます

1. 鳥類

多くの鳥類はセスジスズメの成虫や幼虫を捕食します。特にスズメやメジロなどの小型の鳥がよく知られています。

2.寄生バチ

一部のハチ(例えば、トリコグラム属の寄生バチ)はセスジスズメの卵や幼虫に寄生します。これにより、幼虫の成長を阻害し、最終的に死に至らしめます。

3. クモ

クモもセスジスズメの幼虫や成虫を捕食することがあります。特に、網を張って獲物を捕らえるタイプのクモが有効です。

4.哺乳類

一部の小型哺乳類(例えば、ネズミなど)はセスジスズメの蛹や幼虫を食べることがあります。

これらの捕食者は、セスジスズメの個体数を自然にコントロールする上で重要な役割を果たしています。特に、生物的防除の観点から、これらの捕食者を活用することが、セスジスズメの被害を抑えるための有効な手段となります。




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2024年08月06日14:24庭の畑にやってくる虫たち3

腐海が凄いことになっている

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またもや仕事が忙しくなっていまして、毎日フルタイムの勤務で余暇時間が全くない感じになってきています。
雑草取りは夏野菜たちのエリアばかりでなく、広大な腐海もクリアにしていきたいと思ってはいるのですがちょっと目途が立ちません。この夏は、我が家をカギ型に囲っている庭とその外周である私道の間に幾筋か通路を切り開いて、風通しと伐採作業の導線用に作業用のアクセス路(それくらい雑草が生い茂ってしまっています。)を切り通して、来るべき秋に備える程度になってしまうかもしれません。
夏場に大根や小松菜、白菜とブロッコリーなんかを植えておきたいと思うのですが、いかんせん夏草の勢いは想像を絶していて、私のささやかな思惑は簡単に否定されてしまいそうです。
セスジスズメの幼虫ばかりでなく、お庭の畑には様々な虫たちがやってきます。小さな蜂たちや蝶ばかりでなく、それらを狙う肉食のハンターも飛んできています。
この下に、虫たちの画像を張りますので、苦手な方はここまでで閉じてしまってください。

庭にやってくる虫たちも活発

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1枚目: マメコガネ
どんな葉っぱでも食べる小さな害虫。
2枚目: ショウリョウバッタ
ハキダメギクにとまっているのでこういった雑草も見境なく食べている模様。
3枚目: ハラビロカマキリ
玄関脇のトランペットの樹で狩りをするカマキリ。
4枚目: オオスズメバチ
秒で獲物をノックアウトしているオオスズメバチ。


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2024年08月01日15:19シオカラトンボが飛び始めた

記録的短時間大雨情報の出た翌朝

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昨夜はさいたま南部から東京にかけて猛烈な雷雨があったのですが、荒川の上流終端部の我が家の周囲ではほとんど降りませんでした。 河岸段丘の低地側では小川や用水路が流れているのですが、上部の段丘面にはそういったせせらぎが無く沼や池がある程度です。したがって、我が家の周りにはザリガニやメダカのいるような用水路もなく、こどもたちも魚釣りやらザリガニ釣りにあまり親しむこともなく成長していくことになります。私がこどもの頃はスマホやタブレットはおろかそもそもインターネットさえ存在していなかったので、幼稚園に通う頃にはザリガニ釣りへ友だちと行ったり、小学生になれば自転車に乗ってその時々で狙う魚が居そうな目当ての釣り場に魚釣りに出掛けたりするしか遊びがなかったのですが、ウチの子たちを見ているといまどきの遊び方はタブレットやスマホ、それにAmazonプライムなどで動画配信を観たり、学校から下校してきたらずっとスマホでLINEやタブレットでTeamsを立ち上げて繋ぎっぱなしで気が向くと同じようにログインしているクラスメートと会話したりしながら夜まで置いておいたりというような、恐ろしくネットワーク環境とIoTを活用した生活になっているようです。

一昨日の休みは長男と釣り堀へ

幼稚園に通う長男は夏休みに入り、共働きの我が家では長期休暇中でも基本的には平日預かり保育に通わせているので休み前同様のルーティンを守った生活を続けていて少し可哀想です。
一昨日は私が休みだったので預かり保育をお休みして、釣り堀に魚釣りに連れて行くことにしました。が、運が無いのか、車で10分ほどの近場にある金魚や鯉の屋内釣り堀がやっていなくて、やむなく30分ほど離れたところにある少し大きな屋内釣り堀へと向かったところ、こちらも39度の猛暑で臨時休業になっているという不運。さらに荒川上流へ向かえば鱒釣り場があるにはあるのですが、時間的にもちょっと難しく、魚釣りは次回に持ち越しにすることにして帰り掛けにあるショッピングモールでドーナツとジュースを飲んで満足した長男でした。
したがって、彼はまだSwitchの画面の中でしか魚釣りをしたことがありません。

記憶の中の夏休み

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昔は夏休みも序盤を終えて8月に入ると、冒頭にあるタイトルのように、釣りに行けば水面に浮かぶ玉ウキやへらウキに何処からともなく現れたシオカラトンボがとまったものでした。
シオカラトンボは春先から秋頃まで比較的長い間見られるトンボですが、記憶の中ではやはり夏休みのイメージです。家の周りではひらひらとしか飛べないカワトンボの仲間の、羽の黒いハグロトンボが多く、シオカラトンボは実はあまり見かけないのです。昔はオニヤンマやギンヤンマもよく飛んでいましたが、最近はたまに見かけるかなぁとという程度で、この辺りの分布の偏りは謎です。
長男も次の休みには釣りに連れて行って、また段丘崖の坂を下ったところに流れる用水路にいるヤゴやザリガニ、ホタルの幼虫やメダカにタナゴにも親しんで欲しいですし、改めてそういう風に育てていこうと思い直したりした次第です。


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2024年07月11日07:22トトロの杜3

荒川側から坂道を登ると

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トトロの杜のような雑木林に棲む生き物たち

我が家のある荒川右岸の河岸段丘最上部へと、低地側から急な勾配を登る途中の風景は、この数十年ほとんど変わっていないように思えます。画像のような細いアスファルトの小径の両側には鬱蒼と茂る雑木林が続き、日差しも木々に遮られてその木陰は夏の昼でも湿度を感じます。
東京から1時間弱のこの雑木林には驚くほど多様な生き物が棲んでいて、タヌキやキジといった比較的ポピュラーなものの他に、野ウサギ(実は画像にも小さく映り込んでいます)やイタチ(サイズが小さいのでもしかしたらイイズナかもしれません)にウズラ、ハクビシンやアライグマといった外来種に、アナグマやキツネのようなかなりレアな動物までが存在します。蛇もアオダイショウ、ヤマカガシそして危険なマムシが頻繁に見られます。
鳥類では珍しいところだとアカゲラ(キツツキ)や大きなフクロウが姿を見せることがあります。
植物相はまさに雑木林と呼ぶのにふさわしく、雑多な樹々が入り乱れて生えており、ナラ、ブナ、ヒノキ、ヤマグリ、フジ、ヤマザクラ等の他に土地の境界や古くに開墾された小さな畑だった場所に養蚕で使われたクワが大きく育ってしまっていたり、クリやビワが植えられたまま忘れ去られていたりします。

桑(クワ)は養蚕で使われるカイコ(蚕)の餌としてその葉が利用されました。この地域では江戸時代に養蚕が盛んになり、古くからある農家には大抵蚕屋という専用の納屋があって、其処では何十万匹ものカイコが育てられていました。昭和の終わり頃まであったクワ畑は今はもうありませんが、その名残のクワの樹があちらこちらに半ば自生したように大きな枝ぶりを伸ばしています。

昼なお暗い小径が通り抜ける緑のトンネルは、まるでジブリ作品に出てくる田舎の景観そのものです。
お酒を飲んで帰ってくるときはバスを使うのですが、最寄りのバス停から家までは15分ほど歩かなくてはならず、街灯もまばらな真っ暗な道は本当にトトロの作品世界のようです。さすがに時代のせいか、私がこどもの頃は雑草が生えたあぜ道だった小径も舗装され、従来白熱灯や蛍光灯だった森の中の電柱についている常夜灯もLED化されましたが、それでもなお昭和50年代にタイムスリップした雰囲気は失われていません。

この地域の100年後を想像する

私たち家族の住むこの辺りの過去からのタイムラインは大雑把にはこんなところです。
では今から100年経った先はどのようになっているでしょうか。
消滅可能性都市に挙げられるような過疎化の進む地域ですから、この周辺の集落も人口の流出が進んでいますし新しい流入もほとんどないですから地域社会の概観やインフラは変わらないままでしょう。雑木林を伐採して再生可能エネルギー設備(比較的大規模な太陽光発電)があちらこちらにできてはいますが、それらは河岸段丘の南面にある傾斜に多く、大抵は周辺を森に目隠しされているので作られ始めた頃は異観と感じていましたが既に10年以上の年月が経過している為、それらさえこのあたりの景観になじんでしまった風でもあります。

とはいえ、再生可能エネルギーというイメージとは裏腹に環境破壊していることに変わりはないので、ニュースでの再生可能エネルギー賛美の風潮は正直なところ辟易です。これは例えば原発や火力発電所を生活エリアの近隣に建てられた住民の気持ちとなんら変わりません。

ちょうど鎮守の杜のように、その境内を目隠しするように森が取り囲んでいるので、直截全容が見えない太陽光パネルや工業団地の各施設は昔から其処に在ったかのような佇まいでさえあります。

個人的なイマジネーションでは、それはちょうどバレエ「眠りの森の美女」で眠らされてしまったオーロラと一緒に目覚めるまでリラの魔法で時を停められた森の中に隠されたお城のようです。

100年後でも、この地域の風景は相変わらずなのかもしれません。


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